『隔離の島』


J・M・G・ル・クレジオ著『隔離の島』 中地義和訳 (ちくま文庫)

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 自分のルーツとして、知るべき人々と出来事が在る。今となっては知りようもないことも含め、語りが重なり、交錯するほどに、痕跡を辿るべく在る一つ一つが、読み進めてきたこと自体かけがえのないもののように大切に感じられた。実際の話をもとにしながらも、夢見られた物語であることが何とも切なく胸締めつけた。始まり、隔離という状況下、ジャックとレオン、異文化の中の恋、ランボー、移民たち。疑似的な郷愁でも、忘れてはならないものが在る。それぞれを結び合わせ、一つにする。失われたものを取り戻す瞬間にふれようとする切実が心を打つ。

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隔離の島 (ちくま文庫)


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